Googleアドセンスの審査に、3年間落ち続けたブログがあります。理由は毎回まったく同じ「有用性の低いコンテンツ」。ネットで調べて出てくる対策はほぼ全部試し、それでも通らず、半ば諦めかけていました。
ところが先日、特に何も変えていない状態で申請したら、あっさり承認されました。
この記事では、その音楽ブログが承認されるまでに実際に調べたこと・やったことを、時系列で全部書きます。結果的に効果がなかった作業も含めて、手順まで具体的に残しました。同じように「原因が分からないまま落ち続けている」人の役に立てば幸いです。
前提:どんなブログだったのか
対象は、私が運営している音楽系のブログです。状況は以下の通りでした。
- もともとはlivedoorブログ(無料版)で運営しており、その時点でアドセンスに合格していた
- 合格直後に「本格的にやろう」と考え、WordPress+独自ドメインへ移転
- 移転後、何度申請しても「有用性の低いコンテンツ」で不承認(3年間)
- 記事数は公開73本、ほぼすべてオリジナルの文章
- プライバシーポリシー、お問い合わせフォーム、運営者情報あり
- サーバーはConoHa WING、SSL化済み、テーマはCocoon
ここが最大の謎でした。同じ人が、同じ文体で、同じジャンルの記事を書いているのに、livedoorブログ時代は合格し、引っ越し後は3年間一度も合格しない。
さらに厄介なことに、同じサーバー・同じテーマ・同じプラグイン構成で運営している別ブログは、普通に承認されているのです。しかもそちらは、タバコの話題を扱った記事や、正直かなり内容の薄い記事もある状態で合格しています。「記事の質が原因」という一般的な説明では、どうしても説明がつきませんでした。
調査① 旧ブログとの重複コンテンツを疑う
まず最初に疑ったのが、引っ越し元のlivedoorブログとの重複コンテンツです。同じ記事がネット上に2つ存在していると、Googleから「コピーサイト」と判定され、それが「有用性の低いコンテンツ」という理由で返ってくることがあるからです。
手順1:site:検索で旧ブログの残存を確認する
Google検索の検索窓に、以下のように入力します。
site:blog.livedoor.jp/自分のブログID
(livedoorブログのURL形式は blog.livedoor.jp/○○○ や ○○○.blog.jp などがあります)
結果の見方は次の通りです。
- 「一致する情報は見つかりませんでした」と出る → 旧ブログはインデックスから消えている。問題なし
- 記事一覧がずらっと出てくる → 旧ブログがまだGoogleに認識されている。要対処
私の場合は6件だけヒットしました。ついでに site:自分の新ドメイン でも検索し、新ブログが何ページ認識されているかも確認しておくと良いです。
手順2:残っていたURLが301リダイレクトかを調べる
ここが重要です。「転送設定をしたから大丈夫」と思っていても、それが301リダイレクト(恒久的な転送)でなければ、Googleから見ると旧ページはまだ生きている扱いになります。
調べ方は簡単で、「リダイレクトチェック」で検索すると無料のツールがいくつも出てきます(ohotuku.jpのリダイレクトチェックツールなどが定番です)。そこにsite:検索で実際にヒットしたURLを貼って調べ、ステータスコードを見ます。
- 301 → 正式なリダイレクト。問題なし
- 200(その後ブラウザ上で転送される) → meta refreshやJavaScriptによる転送。Googleには旧ページが生きて見えている。要対処
あわせて、旧記事のURLにアクセスしたとき対応する新記事に飛ぶか、それとも新ブログのトップページに飛ぶかも確認してください。トップページ行きだと、記事同士の対応関係がGoogleに伝わりません。
私の場合は、ヒットした6件すべてが301で、対応する記事にきちんと飛んでいました。
手順3:引用符検索で他サイトへの流出を確認する
旧ブログ以外にコピーサイトが存在しないかも確認します。記事本文から特徴的な一文(「〜だと思う」のような誰でも書きそうな文ではなく、固有名詞が入った具体的な文)をコピーし、半角のダブルクォーテーションで囲ってGoogle検索します。
"記事内の特徴的な一文をここに貼る"
自分のサイトだけがヒットすれば問題なし。知らないまとめサイトなどが出てきたら、それが原因の可能性があります。私は古い記事を中心に5〜10本ほどで試しました。
→ 重複コンテンツ説はシロ。
調査② Search Consoleでインデックス状況を確認
次に確認したのが、Googleが自分のサイトを何ページ認識しているかです。審査は基本的にインデックスされたページに対して行われるため、ここが少ないと「中身の薄いサイト」と見なされます。
手順:確認する場所
- Google Search Consoleを開く
- 左メニューの「インデックス作成」→「ページ」をクリック
- 上部の「インデックスに登録済み」の数字を確認
- その下の「ページがインデックスに登録されなかった理由」の一覧を確認
私の場合の結果はこうでした。
- インデックス登録済み:87ページ(公開記事73本に対して十分)
- 未登録:242ページ
特に注目すべき項目
「登録されなかった理由」の中で、重複コンテンツ判定を疑うなら以下の2つを見ます。
- 「重複しています。ユーザーにより、正規ページとして選択されていません」
- 「Googleにより、ユーザーがマークしたページとは異なるページが正規ページとして選択されました」
私の場合、この重複系はどちらも0件でした。この時点で「コピーサイト判定で落ちている」という説は消えました。
「クロール済み – インデックス未登録」の罠
ここで多くの人が誤解しやすいポイントがあります。
私のサイトでは「クロール済み – インデックス未登録」が131件もあり、最初は「記事が大量に評価されていないのでは」と焦りました。この項目は「Googleがページを見に来て、中身を読んだ上で、載せる価値がないと判断した」という意味だからです。
しかし、必ず中身を確認してください。項目名をクリックすると該当URLの一覧が見られます。私の131件の正体は、記事本体ではなく以下のようなURLばかりでした。
/feedで終わるURL(WordPressが各記事・各カテゴリに自動生成するRSSフィード)/archives/tag/○○、/archives/category/○○などのタグ・カテゴリページ?ref=〜&id=〜のようなパラメータ付きURL(livedoorブログ時代の内部リンク形式が記事本文に残っていて、Googleがそれを辿っていた)http://(httpsでない)バージョンのURL- ページ送りのURL(
?paged=7など)
これらがインデックスされないのは正常です。むしろ登録されたら困る類のURLで、Googleが正しくゴミとして弾いています。件数だけを見て慌てないでください。
ついでに「noindex」の中身も確認
「noindexタグによって除外されました」という項目も見ておくと安心です。私の場合は29件あり、中身は /archives/2016/07 のような月別アーカイブページでした。これはSEOプラグインの設定通りの正常な動作です。ただし、ここに記事本体が混ざっていたら設定ミスの可能性があるので要確認です。
→ インデックス問題もシロ。
調査③ 技術面をひと通り点検する
続いて、クローラーがサイトを正常に見られているかを確認しました。「内容は良いのに落ち続ける」場合、審査用のクローラーがサイトにアクセスできていないというパターンがあるからです。この場合、Googleからは「中身が無いサイト」に見えるため、否認理由が「有用性の低いコンテンツ」として返ってきます。
点検1:robots.txt
ブラウザのアドレスバーに https://自分のサイト/robots.txt と入力して開きます。WordPress標準なら、以下のような内容になっているはずです。
User-agent: *
Disallow: /wp-admin/
Allow: /wp-admin/admin-ajax.php
見るポイントは Disallow: /(スラッシュだけ)という記述がないかです。これがあるとサイト全体がクロール拒否になります。私の場合は正常でした。
点検2:http→httpsのリダイレクト
アドレスバーに http://自分のサイト/ とsを抜いて入力してアクセスします。自動的に https:// に書き換わればOK。httpのまま表示されたら、サイトがhttpとhttpsで二重に存在している状態なので要対処です。
点検3:サーバーのWAF設定
レンタルサーバーのセキュリティ機能(WAF、海外IPアクセス制限、ボットアクセス制限など)が審査クローラーを弾いてしまい、審査に落ち続けるというのは、国内サーバーで実際に報告のあるパターンです。
ConoHa WINGの場合、「サイト管理」→「サイトセキュリティ」から確認できます。ここで重要なのは、この設定はドメインごとに独立しているという点です。「同じサーバーだから同じ設定のはず」と思い込まず、承認済みの別ブログと承認されないブログを1つずつ切り替えて見比べてください。
WAFがONの場合は「検知ログ」(ブロック履歴)も見られるので、過去の申請時期にブロック記録が溜まっていないかも確認する価値があります。私の場合、承認済みの別ブログと設定は完全に同一でした。
点検4:Googleから見えている画面を実際に確認する
これは決定的なテストなので、ぜひやってみてください。
- Search Consoleを開く
- 上部の検索窓(URL検査)にトップページのURLを入力
- 結果画面の右上「公開URLをテスト」をクリック(1〜2分かかります)
- 完了後「テスト済みのページを表示」→「スクリーンショット」タブを開く
ここに表示されるのが、Googleのレンダラーから見えている自分のサイトです。真っ白だったり、エラー画面やCAPTCHA画面が写っていたら、それが落ち続ける原因です。トップページと記事ページの両方でやっておくと確実です。
私の場合は正常に表示されました(YouTube埋め込みだけ表示されませんでしたが、これは後述の通り問題ありませんでした)。
点検5:YouTube埋め込みが正しく実装されているか
音楽ブログなので、YouTube埋め込みが多く含まれます。ここで疑ったのが遅延読み込み(lazy load)の問題です。表示速度を上げるためにスクロールされるまで動画を読み込まない設定になっていると、Googleのレンダラーはスクロールしないため、埋め込みが永遠に読み込まれず「空白の箱だらけの記事」に見えてしまう可能性があります。
確認方法は、埋め込みのある記事をブラウザで開き、右クリック→「ページのソースを表示」(またはCtrl+U)。その画面でCtrl+Fを押して youtube で検索します。
src="https://www.youtube.com/embed/〜"が直接書かれている → 正常data-src=などのプレースホルダーになっていて、src=に本物のURLが入っていない → 遅延読み込みが原因の可能性
私の場合は前者で、正常な実装でした。レンダラーのスクショで動画が写らなかったのは、単に描画時に読み込みが省略されただけで実害なしという判断になりました。
点検6:ads.txt
ConoHa WINGの「サイト管理」→「応用設定」→「ads.txt設定」から設定できます。アドセンス管理画面に表示される以下のような1行を登録します。
google.com, pub-〇〇〇〇〇〇〇, DIRECT, f08c47fec0942fa0
登録後、https://自分のサイト/ads.txt をブラウザで開いて、その行が実際に表示されることを確認してください。
なお、アドセンス管理画面のads.txtステータスが「不明」のままでも、未承認サイトではよくあることです(Googleがまだ確認しに来ていないだけ)。実際、私の承認済みの別ブログも「不明」のまま合格していました。ここは慌てなくて大丈夫です。
→ 技術面もすべてシロ。
調査④ ドメインの前歴(中古ドメイン問題)
意外と見落とされがちなのがこれです。取得したドメインを過去に別の誰かが使っていた場合、そのサイトがスパムやポリシー違反サイトだったせいで、新しい持ち主がクリーンに運営してもアドセンスに落ち続けることがあります。
手順:Wayback Machineで調べる
ブラウザのアドレスバーに、以下を直接入力します。
※ Archive.orgのトップページにある検索窓は「本・映像などの資料検索」で別物です。ドメインの履歴を見るには上記のURLを直接叩いてください(私は最初これを間違えました)。
カレンダーと年表の画面が表示され、そのドメインの記録がいつから存在するかが分かります。
- 自分が運営を始めた時期以降の記録しかない → 中古ドメインではない。問題なし
- それより前(10年前など)の記録がある → 前の持ち主がいた証拠。有力な原因候補
私の場合、最初の記録は自分が運営を始めた年で、それ以前は一件もありませんでした。
→ ドメイン前歴もシロ。
調査⑤ コンテンツ面(過去に試したが効果なし)
音楽ブログ、特にヒップホップというジャンルの性質上、以下のような記事が含まれていました。これらが機械審査で引っかかっている可能性を考え、審査期間中だけ下書きに戻して申請するという方法も過去に試しています。
- タバコを扱った記事
- 実在人物の熱愛・交際に関する記事
- 暴力や犯罪への言及を含む記事(アーティストの経歴紹介など)
- 薬物関連の単語が出てくる記事
結果は同じ「有用性の低いコンテンツ」で不承認でした。
そもそも、承認済みの別ブログにはタバコ記事も内容の薄い記事も存在していますし、livedoorブログ時代にはこれらの記事があっても合格していました。この線は説明として最後まで弱いままでした。
転機:アドセンスの「サイト」登録を削除して再追加する
ここまでで、サイト側に直すべきものが何も残っていないという結論に達しました。そこで最後に試したのが、アドセンス管理画面の「サイト」登録そのものを一度削除し、作り直すという方法です。
何年も申請を繰り返していると、アドセンス側にそのサイトの審査記録が蓄積されます。それが何らかの形で残り続けているのではないか、という仮説でした。
実際にやった手順
- アドセンス管理画面の左メニュー「サイト」を開く
- 該当サイトの行にあるゴミ箱アイコンをクリックして削除(「サイトを削除」という名前のボタンではなくアイコンでした)
- 「○○と関連するサブサイトを削除してもよろしいですか?」と確認が出るので、そのまま実行
- 同時に、放置されていたlivedoorブログの登録も削除
- 2〜3日置いてから「新しいサイト」で再追加(即日で再追加すると記録が引き継がれる可能性があるため、少し間を置きました)
- URL入力欄には
https://を付けずドメインだけを入力 - 所有権の確認方法はads.txtスニペットを選択(すでに設定済みなのですぐ通ります)
- 「審査をリクエスト」
ここで見つかった発見
削除前にlivedoorブログの登録を開いてみると、「お客様のサイトは一定期間にわたって停止されていたため、新たに審査を受ける必要があります」と表示されていました。
つまり、livedoorブログ時代の合格はとっくに失効していたのです。「いざとなったら無料ブログに戻ればいい」と思って登録を残していましたが、戻れる場所はもう存在していませんでした。この登録も迷わず削除しました。
なお、未承認サイトの登録を削除しても失うものは何もありません。広告も収益もまだ存在しませんし、アドセンスアカウント自体や、他の承認済みサイトにも影響はありません。ブログ本体(WordPress)にも一切触れません。
それでも一度は不承認だった
リセット後に申請した結果は……また「有用性の低いコンテンツ」で不承認。
しかも今度は「サイトの審査のリクエスト回数が上限に達したため、まだサイトの再審査をリクエストできません」という表示まで出て、次の申請は約2週間後まで待つことになりました。削除→再追加→申請という一連の操作が、リクエスト回数としてカウントされたようです。
この時点でほぼ諦めモードに入り、Googleの公式フォーラム「AdSenseヘルプコミュニティ」に、ここまでの調査内容をすべてまとめて質問を投稿しました。プロダクトエキスパートと呼ばれる認定ユーザーが、実際にサイトを見て原因を指摘してくれる場所です。
そして、何もせずに再申請したら承認された
2週間の待機期間が明けた日、コミュニティからの回答は一度も付いていない状態で、ダメ元でもう一度申請しました。サイト側は前回からほぼ何も変えていません(古い記事を2本ほど軽く加筆した程度)。
すると、翌日には承認されていました。3年間の不承認ループが、あっけなく終わった瞬間でした。
結局、何が効いたのか
正直に言うと、断定はできません。ただ、可能性として一番ありそうなのは「サイト登録を削除して作り直したことが、時間差で効いた」という説明です。
リセット直後の申請には間に合わず一度は不承認になったものの、記録が完全にクリアされた状態で改めて出したのが今回だった、と考えると筋が通ります。もちろん、審査のタイミングや担当による揺らぎという可能性も否定できません。
ただ、はっきり言えることが一つあります。
サイト側に問題がなくても、「有用性の低いコンテンツ」で落ち続けることは実際にある。
3年間、私はずっと「自分の記事が悪いのだ」と思って記事を削除したり書き直したりしていました。でも実際には、記事にも技術にも問題はありませんでした。同じように悩んでいる人には、まずこの事実を知ってほしいです。
同じ状況の人へ:確認すべきことチェックリスト
「有用性の低いコンテンツ」で落ち続けている場合、以下を上から順に確認してみてください。
- 引っ越し元の旧ブログが残っていないか(
site:検索で確認、残っていれば削除か301リダイレクト) - 残っているURLが本当に301か(リダイレクトチェックツールで確認)
- Search Consoleの「重複しています」系の項目が0件か
- インデックス登録済みのページ数が、公開記事数と大きく乖離していないか
- 「クロール済み – インデックス未登録」の中身が、記事本体ではなくfeedやタグページか(件数ではなく中身を見る)
- robots.txtに
Disallow: /がないか - http→httpsのリダイレクトが正常か
- サーバーのWAF・海外IP制限がクローラーを弾いていないか(設定はドメインごとに独立している点に注意)
- Search Consoleの「公開URLをテスト」で、Googleから見えている画面が正常か
- YouTube等の埋め込みが遅延読み込みになっていないか(ソースで
src=を確認) - ads.txtが正しく設置され、ブラウザで表示できるか
- Wayback Machineでドメインの前歴がないか(中古ドメインでないか)
- それでもダメなら、アドセンスの「サイト」登録を一度削除して作り直す
まとめ
3年かかりましたが、最終的に分かったのは「自分のサイトには最初から大きな問題はなかった」ということでした。
原因不明のまま落ち続けるのは本当に精神的にきついです。記事を消したり書き直したりを繰り返し、そのたびに「今度こそ」と思っては裏切られる。同じ状況の人は、まず上のチェックリストで自分のサイトがシロであることを確認するところから始めてみてください。
そして全部シロだったなら、サイト登録のリセットを試してみる価値はあると思います。少なくとも私の場合は、それが最後のピースでした。


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